メンバーが海外在住中に相続人になりました。
実際にどのような事をしたのか、教えていただきました。

***はじめに********

相続人には法定相続人と遺書等により故人が定めた相続人がありますが、ここでは相続人=法定相続人とします。

相続人とは?
原則的には故人の配偶者及び子ども。この場合、婚外子つまり隠し子も含まれます。
しかし戸籍に記載されていないと婚外子とは認められません。

我家の場合、故人の配偶者はすでに亡くなってましたので、主人と義姉が相続人となりました。

では、その相続人が海外在住であった場合、どうなるかを順に説明します。
☆は私見です。

 

***役所関係******

死亡届は記入すれば役所への提出は葬儀会社が代行してくれます。葬儀会社の依頼で、記入は国内在住の義姉がしました。
故人の戸籍謄本、戸籍抄本、除籍票等の取り付けは故人との続柄を明記すれば問題ありません。

   市役所ではなくサービスセンターという出張所のような所で申請したので、係の人もアットホームな感じでした。
現住所記載欄がありましたが、本人確認用に持参したパスポートのセジュールの住所を記入すればOKでした。
自治体によっては、あるいは本庁だったら、もっと厳しいかもしれません。

昭和23年に戸籍法が改正されたそうですが、それ以前に生まれた人の場合、「改正原戸籍」というものを要求されることがあります。
これは故人が生まれた時からの戸籍のことで、当時の本籍地のある自治体に請求しなければなりません。
請求人は相続人に限られ、続柄を示す戸籍が必要となります。

   郵送してもらうことが多いため国内在住の相続人が請求する方がいいと思われます。
その場合、相当分の郵便定額小為替や切手を貼った返信用封筒の同封を求められます。

 

***年金***********

社会保険庁管轄の機関に手続きに行かなければなりませんが、届出人の住民票と印鑑証明が要求されます。
ない場合は日本大使館(領事館)発行の在留証明と署名証明が必要となります。
届出人は必ずしも相続人である必要はありません。

 

***生命保険*********

民間企業ですので手続きは会社によって違ってきます。具体的にA社、B社、C社として記載します。

A社の場合
先に亡くなった義母もA社に加入していましたが、その時に保険金受取人(主人)の印鑑証明を要求され、
当時も海外在住であったため一度任地に帰り、日本領事館発行の署名証明を送付して手続きしました。

今回は当時を知る外交員に事情を話し、なんとかならないかと懇願したところ、県庁所在地にある統括事務所に
主人がパスポート持参で赴き、権限のある人に「本人確認」をしてもらうことで話がつきました。


B社の場合
保険金受取人を“相続人”としていたため婚外子の有無を問われ、義父だけでなく義母の「改正原戸籍」のオリジナルを要求されました。
住民票および印鑑証明を要求されたので、外交員にA社の例を話し、本社に打診してもらいましたがダメでした。
よって主人がフランスで在留証明及び署名証明を取り付け、日本に送付して手続きしました。


C社の場合
「がん保険」に加入していたのですが、死亡した場合、わずかな死亡保険金が出ることがわかりました。
手続きには印鑑証明を要求されたので、署名証明で手続きしました。

   生命保険会社については外交員の力量によってかなり違ってきます。
また保険金受取人はなるべく個人名にした方がいいと思いました。

***銀行*********

預金者の死亡が判明すると口座は凍結されます。
口座の解約には原則的に相続人全員の署名および印鑑捺印が必要となります。当然、印鑑証明等が要求されます。

今回は主人の在留証明及び署名証明と、解約に際する諸手続きを代表相続人(義姉)に一任するとの委任状を提出して
解約手続きをしワした。

尚、同じ銀行でも支店ごとに処理するため、在留証明及び署名証明、委任状等は支店ごとに提出しなければなりません。
ただし預金額が小額だった場合は応対した行員の判断によって、代表相続人(義姉)の印鑑のみで処理してくれました。

 
   通常は故人の口座は相続が完了するまで凍結したままにしておいた方がいいようです。
我家は一部解約しましたが、義姉に新規口座を作ってもらい残金はすべてその口座に振り込むという形で
税理士の了承を得ました。


***郵便局*********

郵便貯金の解約には原則的に相続人全員の住民票及び印鑑証明が必要です。

しかし主人と義姉つまり相続人全員が郵便局に赴き、窓口で小一時間押し問答をした結果、
義姉を代表相続人とすることで解約できました。

☆この郵便局は住宅街にある小さな郵便局で、局員が義姉とは顔馴染みということから信用してもらえたようです。
都心の大きな郵便局ではおそらく無理なのではないでしょうか。

 

帰仏後、知ったことですが日本大使館(領事館)では印鑑証明も発行してくれるそうです。 署名は本人がその場にいないとできませんが、印鑑捺印は印鑑さえあれば誰が押印してもいいわけで、
こちらの方がいいかもしれません。


  実は今回、本人がその場にいないために冷や汗をかいたことがあるのです。
  ということでオマケとして貸金庫についてご説明します。

***貸金庫**********

契約人が死亡した場合、貸金庫の開閉は相続人全員が立ち会わなければできません。解約も同様です。

契約人(故人)の「改正原戸籍」、相続人各々の現戸籍と住民票及び印鑑証明、契約人(故人)との続柄を証明する戸籍等が
必要になります。

生保や口座解約に関しては応対した人の判断で簡略化が可能でしたが、貸金庫に関しては各行とも厳しかったです。

我家の場合、主人の在留証明及び署名証明(拇印も含む)と一切の手続きを代表相続人(義姉)に一任するという委任状を提出しました。

実際の開閉には付添人として税理士の先生と私が同行しましたが、私はパスポートコピーを要求されました。

また戸籍等に関しては提出するのはコピーで構いませんが、オリジナルを持参する必要があります。

銀行によっては貸金庫解約時には行員立会いの下で内容物をチェックし、それを相続人が銀行指定の用紙に全て記入しなければなりません。

そのスペースが実に小さいのですが、2枚以上にわたった場合、相続人全員の割り印が必要となってくるのです。

我家の場合は主人がその場にいないので署名は不可能、つまり1枚に書ききらなければならなかったのです。

幸い貸金庫にはたいしたものは入っていなかったので1枚で記入可能だったのですが、それでも義姉に小さい字で書いてもらいました。

(義姉は主人の姉だけあって大雑把な人で直接ペンで書こうとしたのですが、行員や税理士が慌てて「鉛筆で下書きされた方が・・・」と言われたのには笑いました。私もきっと直接ペンで書いてただろうな〜)

後で日本大使館(領事館)で印鑑証明を発行してくれると知り、それなら印鑑証明と共に印鑑も送付してもらって、それを持参すれば割り印は可能だったなと思った次第です。

((ウラ技))

契約人が死亡した場合、貸金庫はしばらくの間「開かずの扉」になってしまいます。そこでウラ技を。

契約人は貸金庫を自由に開閉できる代理人を選定することができます。

特に印鑑証明等は必要なく、契約人同席の上で申請し、本人確認をしてもらえばいいだけです。

契約人に万一のことがあれば、死亡届提出前に(葬儀会社も便宜を図ってくれます)代理人が貸金庫を開けてしまうことは可能です。

また支店によっては貸金庫カードというものがあり、契約人からコード等を聞いていれば他人でも開閉できます。

銀行口座凍結と同時に貸金庫も凍結されるので、それより前にカードで開けることも可能です。

これらは銀行の方が教えてくれたウラ技です。

ただし代理人はトラブルの種になるので、本当に信用できる人を選定し、契約人の相続人(特に子ども)の了承を得ておいた方がいいようです。

 

以上、長々と書き連ねましたが上記の通り、事前に知っていたので助かることもあれば、知らなかったせいで冷や汗をかくこともありました。

相続人にはできればなりたくないですが、万一の場合、ある程度の知識を身につけていた方が心構えが違ってくると思います。

私の経験が少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

 

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